今回の目的
- 授業の進め方を把握する
- 授業メンバーの距離感を縮める
- これから学ぶ「中国語」とは何を指すものであるのかを理解する
今回のミッション
- 講義コンテンツの視聴
- 冒頭のご挨拶
- 自己紹介と課題1の発表
- 授業の進め方
- 授業内容
- 課題の提出
- 自己紹介(「Oh-o! Meiji」内「クラスウェブ > ディスカッション」)
- 確認小テスト(「Oh-o! Meiji」内「クラスウェブ > アンケート」)
講義コンテンツ
冒頭のごあいさつ
文字起こし
- こんにちは、講師の石井理です。この授業は、「中国語Ⅲ(選択)」ということで、中国語の初学者を対象として、中国語の基礎文法習得を目指す授業です。
- 春学期と秋学期合わせて通年の授業になりますので、これから1年間どうぞ宜しくお願いいたします。
- さて、シラバスでも初回はイントロダクションということにしています。
- …なのですが、その前に、まずは、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出て、それが全国にまで拡大してしまい、現時点では5月末までの延長が発表されました。みなさんどんなふうに過ごしていますか?今どんな気持ちでこの授業を受けてくれているのでしょうか。顔が見えないぶん、いろんなことを想像しながら、お話しさせていただければと思います。
- まずは、学生さん自身であったり、あるいは身近な人に、ウイルスの被害に遭われた方がいらっしゃらないことを願っていますが、ひょっとしたら今日この日までに万が一そのようなことを経験してしまった学生さんがいるかもしれないので、もしもその場合には、お体が健康に回復されることはもちろんですが、精神的にも落ち着いた生活を取り戻していただけるよう、心から願っています。
- また、そうでなくとも、きっと思い描いていた大学生活とは、もう始まりの時点からすでにだいぶ違ってきてしまっていると思うので、みなさん多かれ少なかれ不安な思いを抱えているんじゃないのかなと想像しています。
- なので、そんな中、この授業を受講してくださいまして、本当にありがとうございます。みなさんが満足できるような授業となるように、最大限、努力していきたいと思います。
- どうぞよろしくお願いいたします。
- では、冒頭のご挨拶してはこの辺にいたします。
- 次の「自己紹介と課題1の発表」に進んでください。
自己紹介と課題1の発表
文字起こし
- 冒頭のあいさつはお聞きいただけたでしょうか?
- このラジオ講義では、「自己紹介と課題1の発表」という内容でお送りします。
- さて、みなさんが中国語を学習しようと思ったのには、様々な理由や動機があると思います。たとえば、仕事に使えるんじゃないかとか、言葉に興味があって語学の資格試験にチャレンジしたいとか、それから世界中にいる中華系の人たちと中国語でお話をしてみたいとか、色々あると思います。
- 逆に、特に大きな目標はないという人もいると思いますが、それでもまったく構わないと思います。
- というのも、僕自身、中国語を始めたのは大学入学のタイミングなのですが、その時は、まさか自分が中国語を仕事にするようになるなんてことは、思ってもいませんでした。
- じゃあ何がきっかけになったのかというと、大学3年生の夏休みの時に中国の北京師範大学というところで1ヶ月間の語学研修に参加したのがとても大きかったのかなと思います。
- それまで日本しか知らずに育った僕にとって、何から何まで驚きの連続だったし、言葉が通じないということ以上に、文化が通じないという場面がなんどもあって、それはとても新鮮な体験でした。正解はひとつではないというか、月並みな言い方ですが、僕の中で世界観が大きく変わった体験になりました。
- なので、みなさんにとっても、中国語を学ぶということを、自分自身の人生を豊かにすることにつなげてほしいなと、思っています。
- ちなみに、中国語を勉強するとこんないいことがあるよーという、最も身近にラッキーを感じることができる具体的事例としては、「中華料理屋さんで、中国人の店長さんに中国語で話しかけると、とても喜んでもらえて、結果的に杏仁豆腐をサービスしてもらえることがある」というのがあります。杏仁豆腐が好きじゃない人は、胡麻団子にしてもらってください。
- ということで、この授業最初の課題を出します。「クラスウェブ」の「ディスカッション」のところで、みなさんの自己紹介をしてください。
- 形式は、①学部、②名前、③中国語を学ぼうと思ったきっかけや動機、④その他(特技など)という形で書いてもらいたいと思います。みなさんのことをたくさん教えてください。もちろん、④その他の部分には、それ以外のことも自由になんでも書いてもらって結構です。
- オンライン上ではありますが、できれば学生さん同士の距離感が少しでも近づくように、暖かい場になればいいなと思います。
- ということで、どうぞ宜しくお願いします。
- 提出期限は、ひょっとしたらまだ通信環境が整っていない学生さんがいたり、アクセス集中などで接続状況が悪くなることも考えられますので、一応、2020年5月18日(月)の23時59分59秒99ということにして、様子を見て見たいと思います。
- 次は、授業の進め方についてのパートに進んでください。
授業の進め方について
文字起こし
さて、ここまで、「冒頭の挨拶」そして「自己紹介と課題1の発表」と進んできましたが、ここからが本題です。
というのは、授業の進め方をご説明します。
というか、今は、イレギュラーな状況ですので、この授業の「オンライン授業」というものが一体どういう形なのかということについての説明から始めたいと思います。
この授業では、シラバスで指定した教科書を中心に学習を進めますが、補助的に僕のオリジナルのWEBサイトも使用します。
なぜかというと、日本中の様々な大学でオンライン授業が始まっていますが、色々な障害や問題が発生しています。
一つは、学生さんからのアクセスが集中しすぎて、LMSシステム(明治大学の場合は「Oh-o! Meiji」というシステムですが)、ひどい場合はこれにログインすることすらできなくなった大学もあるようです。
なので、大学LMSサイトへの集中を避けるために、外部サーバーに設置してある、WEBサイト上で教材の視聴などを行なっていただくという形にしています。
ただ、基本的には、オンライン授業期間中の毎回の授業コンテンツは、大学のLMSシステム「Oh-o! Meiji」の「クラスウェブ」に、リンクを貼る形で掲示します。
「Oh-o! Meiji」の基本的な操作方法については、他の授業でも使用しているはずなので、大丈夫だと思いますが、早く慣れておくようにしてください。
また、オンデマンド形式で進めますので、授業開始時間ピッタリに授業コンテンツにアクセスする必要はありません。例えば1限の授業出会ったとしても、朝9時にパソコンの前に座っている必要はありません。毎回のコンテンツを、予習の部分も含めて月曜の午前までには掲載するようにしますので、各自でご都合の良い時間を見つけて受講してください。
各回の授業は、
- 講義
- 小テストや課題
- 質問とフィードバック
という形で構成したいと思います。
1) 講義の形式は、
- 字幕付きラジオ
- 音声付きスライド
- 字幕付き動画
という3つの形式を組み合わせて使用します。
いずれにしても、通信容量(いわゆるギガ)を消費しないように、画像や音声をギリギリまで圧縮したり、モノラルにしたりといった方法で、ファイルサイズに極限まで配慮した形のコンテンツを使用します。
また、学生さんにとってみれば、今は全ての授業がオンラインなので、あまり続けて視聴していると、眼精疲労から、頭や全身の疲労感につながってしまう恐れがあります。
ですので、適度に休みを取りながら視聴してください。
例えば、この授業の場合、ラジオ形式の教材には補助的に字幕の出るシステムを使用していますが、目が疲れないよう、耳だけで聞いてもらっても構いません。
逆に、通信環境などの関係で、音声を聞くことができない方のために、基本的に文字起こししたテキストを添えていますので、聞きもらしなどがないように確認していただくこともできます。
この「授業の進め方」についても同じ形になっていますので、一通り見て見てもらうと、把握できるかと思います。
2) 小テストや課題や 3) 質問やフィードバックについては、「クラスウェブ」を使用して行います。どこからアクセスして発言・提出してもらうのかという指示も、講義音声の中で指示を行いますので、聞きもらし、読み違えなどないように気をつけましょう。
成績評価は、シラバスにあるように、平常点60%、試験40%という形ですが、この平常点というのは、レポート、ディスカッション、小テストの積み重ねの点数のことです。これはオンライン授業であってもそうでなくても同じです。提出忘れなどがないよう、気をつけてください。
なお、試験に相当するものとしては、通常の対面授業であれば最後の回に「理解度の確認」を行うはずなのですが、これについては今後の状況を見て、改めてアナウンスします。
ここまでが、授業の進め方の説明です。
何か聞きたいことや不安なことがある方は、質問を送ってください。
それでは、今日の授業内容に進んでください。
「中国語購読とは」と課題2の発表
文字起こし
- では、第1回目の授業内容です。
- まず大学の事務から連絡がありまして、教科書がお手元に届いていない学生さんがいる可能性があるとのことでした。
- 安心してください。
- 今回は教科書の内容に入る前に、「中国語購読とは」ということについて軽く説明して終わりにしたいと思います。
- この授業では、『中国語の読み物 漢語世界』というテキストを教科書として使用します。
- お手元に届いたら、まず目次に目を通してみてください。
- 日常的で身近なテーマの文章から、食習慣や伝統的な行事などのように文化的な理解が深まる文章、そして月や太陽の神話あるいは歴史的人物に関する文章まで、様々なテーマの文章が掲載されています。
- 実際に読んでいくと、言葉としての難しさの他に、歴史や文化を理解するということの難しさが加わっているような印象があるかもしれません。
- ただ、これはどの言語を学んだとしても、語学の中級者がさらにステップするためには、言葉としての外国語を学ぶと同時に、その国の歴史文化あるいは哲学といった深い部分まで理解することが重要だということですので、おそれずに頑張って欲しいと思います。
- もちろん、授業の中で、色々と基礎知識についてのレクチャーや確認など、フォローをしていきますので、心配しないでください。
- 文化という言葉を使いましたが、それに即していうと、この授業で学んで欲しいことは、以下3つの文化です。
- 言語文化
- 生活文化
- 歴史文化
- 1) 言語文化は、最も表層的な部分です。ざっくりいうと、どのような言葉遣いで表現されるのか、ということに近いです。
- たとえば、特に文章語には、文字数の経済性という原理が働くので、あまりダラダラとかかず、2文字や4文字のかたまりに凝縮された単語やフレーズが多く使われます。それに伴って、古典中国語、つまりみなさんが高校までの漢文で学んだような古めかしい言葉遣いも所々ありますので、そのあたり慣れていくようにしましょう。
- 2) 生活文化は、文章の内容に関わる部分です。文章中で議論されていることがら、と考えてもらって構わないと思います。
- たとえば、箸の使い方や、餃子が主食であるのかおかずであるのかといったことが、これにあたります。言葉遣いというよりは、中国で生活したり、あるいは中国人とコミニュケーションを取るときに、知っていると便利な知識や知恵です。
- 3) 歴史文化は、ここでは最も奥深い部分です。文章の内容を理解するにあたって必要な前提知識であることが多いです。
- たとえば、中国の歴代王朝を、全部とまではいかなくても、だいたいどの王朝がどのくらいの年代を指すのかとか、あるいは中国の場所を指すのに、今の地名ではなくて昔の地名を使って表現することもありますが、いずれにしても、歴史的な知識で補わなければならないことがよくあります。
- このように説明していくと、歴史文化についての部分は、学生さんによっては得意不得意があるかもしれません。
- なので、ここで、中国の歴史文化に触れることの利点について触れておきたいと思います。
- それは、中国の歴史文化に習熟すると、日本の文化についての理解も深まる、あるいは再認識することができるということです。
- なぜなら、中国の伝統行事は、古くは日本や韓国などの漢字文化圏でも共通の行事であったものが少なくありません。
- たとえば、七夕であったり、端午の節句であったり、日本で今でも残っている風習の多くは中国がルーツのものです。
- ただし、日本と中国とでは、共通することも多いのですが、具体的な風習や方法を細かく見てみると、異なる部分もまた少なくありません。
- ではどこが異なるのかというと、その代表例としてはカレンダーの違いがあります。つまり、中国の伝統行事は旧暦によって定められた日に行われますが、日本では新暦によって行なわれるという違いです。
- 日本と中国は、「似ているのにどこか違う、違っているのにどこか似ている」という関係のものが開く三亜あります。
- そもそもアジアの世界には、日本と中国だけでなく、「似ているのにどこか違う、違っているのにどこか似ている」という関係のものがたくさんあります。
- たとえば、「月には何がいるのか?」というテーマ一つ取っても、アジア諸国には様々な神話が伝わっていますが、細かく比較してみると、実はいくつかの共通点が見出されます。
- この授業で、その一つ一つを読んでいくわけにはいかないのですが、そういったことも、折に触れてご紹介していきたいと思います。
- ということで、この授業では、言語文化、生活文化、歴史文化という3つの文化に注目しながら、中国語の文章を読み進めていきましょう。
- 「購読について」ということについて、少しお話をさせていただきました。
- 今回の授業内容について確認のための小テストを「クラスウェブ」の「アンケート」機能を使って行います。
- 忘れずに回答するようにしてください。
- それでは、少し長くなりましたが、今日はこの辺で。皆様の大学生活が、素敵なものとなりますように。
- また来週、お会いしましょう。