ご質問
子音から母音へ、口の動きについて
子音と母音をセットで発音する時の口の動きがよくわかりません。口の形・舌の形が、いつ子音の形で、いつ母音の形なのかを知りたいです。
子音「r」の発音について
子音のrが母音とくっついた時の発音が特に難しいです。ネットの音声を聞くと日本語の「ル」に近い発音なのですが、私が発音すると聞こえてくるのは息の音で、ほとんど「ル」の音が出ないです。何か発音する時のコツがあったら、教えていただきたいです。
回答
子音から母音へ、口の動きについて
体感的なコツからお答えすると、「子音の音が響いたのを確認してから母音に移行する」というイメージで、少しゆっくり目に、丁寧に発音する方が良いです。
なぜなら、口や舌の形を移行するタイミングは子音の種類にもよりますが、特に有気音の場合は、子音と母音の間に、思っている以上の時間差があるからです。
たとえば、参考に、「zh(i)」と「sh(i)」の中国語音声(ネイティブ)の、波形画像を掲載します。
画像中、細い縦線で区切りをつけてあるのですが、見えますでしょうか?
この区切りが子音と母音の区切りです。
zh(無声音)は、子音の時間幅が短く(0.1秒もない)、また母音への移行も少し曖昧です。
それに対して、ch(有声音)は、明らかに子音の時間幅が長く(0.2秒くらい)、また子音が母音から独立した形の波形になっています。
したがって、子音の種類によって変わるものの(特に無気音と有気音とで、だいぶ異なるが)、「子音は子音として発音し、その音が綺麗に響いてから母音に移行する」という感覚で、焦らずゆっくり目に発音してみてください。
最初の頃は特に、丁寧に音声イメージを作っていくのが重要です。
頑張りましょう。
子音「r」の発音について
聞こえてくる息の音が、舌先と硬口蓋との間で空気が摩擦する音であれば正解に近いと思います。
ただ、子音「sh」の音に近いのであれば、子音「r」のイメージを若干修正する必要があるかもしれません。
なぜなら、中国語の子音「r」は【有声音】(有気音とは異なるので注意!)という種類の音なので、喉の声帯を震わせることによって発される音です。
ここでも、参考までに波形画像を掲載します。
このように、中国語子音「r」は、喉の響きが母音と連続してしまうので、もはやどこが子音なのか、極めて分かりづらい波形です。
また、「r」というピンイン記号が英語やローマ字の「r」を想起させるのですが、それらにイメージを引っ張られてしまうと、それぞれ舌の位置がずれてしまいます。
(英語の「r」だと巻きすぎ、日本語ローマ字の「r」だと舌先が硬口蓋や歯茎にくっついてしまう)
ということで、喉(声帯)を震わせるというイメージを強めに持っていただけると良いかもしれません。